2007年10月31日

高齢者医療の負担増凍結、与党が正式決定

高齢者医療の負担増凍結、与党PT[プロジェクトチーム]正式決定:yomiuri online 2007.10.30
●・1割から2割に引き上げられる予定だった70歳〜74歳の窓口負担を1年間、1割のまま据え置く

・4月から新たに保険料が必要になる75歳以上について、
<1>4月〜9月末までの半年間は保険料を免除
<2>10月〜09年3月末までの半年間は保険料を9割減額


 財源は、窓口負担の据え置きに約1100億円、75歳以上の軽減策に約360億円、、市町村などのコンピューターシステム改修費や広報費などに百数十億円→合計1700億円程度の見通し

●与党は、09年度以降の課題として、75歳以上を対象とした「後期高齢者医療制度」など高齢者の医療制度の負担のあり方について、「引き続き検討する」と明記した。制度の修正も含めて検討する考えだ。

●週内にも与党として政府側に凍結案の実施を求める

●民主党は制度の抜本的見直しによる負担増の「廃止」を求める方向で党内議論開始

■nikkei net 2007.10.30「高齢者医療の負担増凍結、自公が具体策で合意」 では
ようやく決まった医療制度改革を再び逆戻りさせる決定で、次世代にツケを回す構図も温存される。
とはっきり評価を交えて書いています。

凍結に要する費用がyomiuriと違う?!

必要な国庫負担額は約1460億円。政府・与党は今年度補正予算で財源を確保する方針だ。

 保険料負担を軽減するのは会社員の子供らに扶養され保険料を払っていない75歳以上で対象者は約200万人。凍結は2008年4月から9月末までで、保険料徴収が始まる10月から翌09年3月末までは保険料を9割減額する。必要な財源は360億円となる。

「次世代にツケを回す」とは、
・補正予算にしたこと(単に先送りする)に加え、
・「扶養されている高齢者に自ら負担させる」という制度変更が実現しなかったこと
をさすのでしょうか。

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posted by 若葉 at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月30日

年金記録問題 検証委報告−混沌からの出発

1942年以来の膿…簡単には除けそうにありませんが、とにかく緒につきました。
社会保険庁が解体されるとして、その後につくる制度の設計に生かせる道を探ってほしいと思います。

●幹部個人の責任不問 年金記録問題 検証委報告が判明:asahi.com 2007.10.27
総務省の「年金記録問題検証委員会」(座長・松尾邦弘前検事総長)が、来週中に発表する最終報告で、歴代の厚生・厚生労働相や社会保険庁長官の個人責任を明記しないことが27日、分かった。歴代閣僚・長官の監督責任を一体として問う形をとる。…
社保庁が一人ひとりの記録を一貫して管理する姿勢に欠けていたことや、本人の申し出がなければ記録を確認しない申請主義などが記録問題の直接的な原因となったと指摘。宙に浮いた年金記録のサンプル調査結果、消えた年金記録の一因とされる職員らによる横領問題、「三層構造」と呼ばれる社保庁独特の閉鎖的な人事システムや組合問題などにも言及する。…

・オンライン化は79年から89年まで段階的に進められ「責任ある長官の特定は困難」
・名前や生年月日の欠けた記録の入力…社保庁とシステム開発業者で検討した経緯が分かる当時の資料が一部を除き残らず→責任者の判断や不作為が記録の管理に及ぼした影響を十分に検証できず

1942年の年金制度発足以来、長年にわたる記録管理の不備が背景にあり「個人の責任は限定できない」

…安倍前首相が5月末「歴代社保庁長官の責任を明らかにする必要がある」と発言。6月に設置の検証委に、96年の基礎年金番号の導入決定時に厚相だった菅直人氏や、97年の導入時の厚相、小泉元首相ら閣僚を含めた幹部らの責任追及を求めていた。

●最大で4割、持ち主特定に支障 年金検証委最終報告案:asahi.com 2007.10.30
…政府が「詳しい内訳は分からない」としている宙に浮いた5千万件について、検証委は住民基本台帳ネットワークと照合するなどして7840件のサンプル調査

結果は、
a.入力ミスや結婚による名前の変更前の分など、今後の持ち主の特定に支障が生じる可能性のある記録が最大で38.5%
b.住基ネット上の氏名や生年月日、性別などが一致し、生存の可能性が高い者の記録33.6%
c.死亡者や、加入期間が25年間に満たず年金受給の対象外の者、すでに持ち主に統合済みの記録27.9%


<a.について>
 38.5%の記録には、今後の名寄せ作業で問題になる「生存している人で本人を特定できなかったケース」と、住基ネットが稼働した02年8月以前に死亡して追跡できなかった人の分が両方含まれている。生きている人の割合がどれぐらいかは不明だ。

 社保庁は入力ミスや姓の変更があっても、ある程度、持ち主が特定できるプログラムを開発。来年3月末までに作業を終えて、本人に通知するとしている。ただし、記録自体が大幅に違っていれば、特定作業に支障が生じる可能性がある。

<b.について>
少なくとも33.6%については持ち主の生存がほぼ確実で、現在の高齢者の受給漏れや、現役世代の将来の受給額の減少につながりかねない。しかし、本人が特定できたことで、今後の作業自体は比較的容易に進められそうだ。

<その他>
・支払ったはずの保険料の記録が残っていない「消えた年金」:「(職員らの)横領が原因の一つという可能性が否定できない」
・記録問題の根本的な理由として「厚生労働省、社保庁の組織全体の使命感、責任感が決定的に欠如」と厳しく批判。多くの職員が記録の誤りを漠然と認識しながら、「定量的に把握・検証・補正する組織的な取り組みが行われなかった」とした。

■現場の人は大変 …最初から何らかの情報公開制度・検証制度があれば、このような事態には至らなかったのかもしれませんね。

心の病、官僚にもジワリ・中央省庁1.3%休養:nikkei net 2007.10.28
2006年度に心の病で病気休暇を取った中央省庁の職員は在職者の1.3%に当たる563人で、省庁別では社会保険庁が6.4%と最も高かったことが、人事院が実施した実態調査で分かった。年齢別では30歳代が半数近くを占めており、人事院は職員の勤務状況に日ごろから注意するよう各省庁に要請した。…

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posted by 若葉 at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月29日

名誉毀損・守秘義務

名誉既存訴訟で
・記事を配信した通信社には不法行為責任を問わない
・記事を掲載した新聞社にだけ損害賠償の支払いを命じる
という東京地裁判決が出ていたようです。

原因となった主体より、消極的に「乗った」ものに厳しい判断となっています。
「流された」という理由が通用しない、厳しい世界。

労働基準法の「両罰規定」を思わせます。

・通信社記事で名誉毀損 掲載側の責任、どこまで−論点争点 メディアと人権・法:日経 2007.10.29
・新聞3社に賠償命令 共同通信記事で名誉棄損:共同通信 2007.9.18

要約すると

●キーワード(法理)は
 通信社…真実相当性(日本で通用)
 配信先…配信サービスの抗弁(定評のある通信社の配信が責任を負う:アメリカでは通用。日本では通用しない)

●通信社と配信先新聞社が両方関連する最高裁判例は既にあったが(ロス疑惑報道)、その例は
・通信社記事に真実相当性がない。[掲載者についての記載はなし]→通信社・掲載新聞社とも有責
という結論

●今回は
・通信社…記事は実際には真実ではないが、「信じるだけの相当な理由がある」(=「真実相当性」あり)→責任なし
・掲載した3新聞社…通信社から配信を受けたことだけを理由に真実と信じたことが相当とは言えない→責任あり[「配信サービスの抗弁」を認めなかった]
→配信元責任なし、配信先有責!
という結論になった。

先行する判例と事実関係が異なるのに「最高裁判例を形式的に適用→奇妙な判決」とメディア法の専門家は指摘する。

■守秘義務

クローズアップ2007:奈良母子放火殺人・秘密漏示 揺れる「知る権利」:毎日jp 2007.10.17
[要約]ジャーナリストに供述調書を提供した精神鑑定医を刑法の秘密漏示容疑で逮捕(2007.9.14)。ジャーナリストの強引な取材が非難される一方、言論の自由を守るという観点から行き過ぎという批判が法学者・弁護士から出されている。

秘密漏示罪:刑法134条。医師、薬剤師、助産師、弁護士、公証人のほか過去にこうした職にあった者が正当な理由がないのに業務上知り得た人の秘密を漏らすことを禁止している。罰則は6月以下の懲役または10万円以下の罰金。被害者の告訴が必要。医師などでなくても関与すれば「身分なき共犯」として処罰対象となる。

「秘密漏示罪」の対象に社労士は入っていません。社労士法に懲戒規定はありますが…
社労士法21条27条の2:正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない
…違反→一年以下の懲役又は百万円以下の罰金(32条の2)


[追記 2007.10.31]
むむ??!

社労士法、よくみたら刑法より厳しいぞ!(1年・100万)
さすが…特別法!

医師の特別法である医師法にも、同様な規定(守秘義務+罰則)があるのでは?…と思ったら、ないようですね。(それで一般法の刑法に頼ったわけか…しかも親告罪(=患者が訴えたときのみ問題))

cf.教えて!goo−朝青龍の担当精神科医師は医師法違反なのでは???
 法医学者の悩み事 2007.10.14

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posted by 若葉 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月28日

負担と受益の県別推計−格差は困る?

負担と受益、県別に将来推計・大田経財相が表明:nikkei net 2007.10.28
 内閣府は年金・医療など社会保障費と、公共事業や国の対国民サービスを含めた歳出入全般について、都道府県別に負担と受益を将来推計する。高松市で27日開いた「経済財政に関する地方会議」の初会合後に、大田弘子経済財政相が記者会見して表明した。
 国全体の負担・受益の試算はあるが地域別の推計は初めて。経財相は「特に高齢化が進む県の負担と受益に社会保障改革などが及ぼす影響をきめ細かく分析する」と語った。過疎県は年金や医療、介護の給付費がさらに増大するため、人口構成が若い県と比べて受益超が鮮明になる可能性もあり、地域格差論に一石を投じる試算になる。

ん?
書き写していて「あれっ」と思ったのですが…「推計」=未来予測ですね。
(最初、現状の分析視点を足すのだと思った)

たとえば、
老父母が農村、成長した子供が都市に住む。
子供が保険料を払い、父母が給付を受け取る。
→都市は負担超、農村は受益超

これは、特に不自然(=是正要)とは思えないのだが。

推計に使うモデルにおいて、
上記の青字で書いたような「仕送り」的な側面が存在する点は、考慮されるのでしょうか??
(でなかったら、結果は目に見えている)

推計すること自体は視点が増えて面白いかも(見てみたい気はする)。

■成長戦略→増税 ?

小泉・安部内閣…「経済成長で自然に税収を増やす」→増税論議に手をつけない
 cf.NIKKEI NET EYE 2006.9.272007.6.19竹中平蔵氏の講演(@FPフェア2007 →2007.9.29エントリ)でも上記の考えを強調

福田内閣…「増税」

とシフトしつつある(or戻りつつある)ようです。

経済成長を前提にした甘い見積りは避けるべきと思いますが、
いきなり「増税」ありきもどうか。

難しいところです。

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posted by 若葉 at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月27日

「毒まんじゅう」の見分け方

法人2税見直しは「毒まんじゅう」 5知事が反対声明:asahi.com 2007.10.21
法人2税再配分、宮城など5知事が「反対」:nikkei net 2007.10.21

総合すると

宮城、山形、佐賀、徳島、鳥取の5県知事は21日、東京都内で会合を開き、地方法人2税(事業税、住民税)の見直し案に反対する声明を発表した。

「都市と地方の対立をあおって中央集権の強化につながる」
「都市と地方の対立をいたずらにあおり、地方への税源移譲を進めてきた分権の流れに逆行する」

「『毒まんじゅう』拒否宣言!」と題した共同宣言を発表し、再配分案について「地方の知事はこのようなまやかしにだまされない」と厳しく批判。地域間格差の是正策として地方交付税の増額を求めた。

・「一見すると地方に魅力的だが、毒まんじゅうに他ならず、地方再生に名を借りた偽装表示だ」(佐賀県・古川康知事)
・「再配分案は東京や大阪、愛知から(税収を)召し上げ、国が吸い上げるだけだ」(飯泉嘉門・徳島県知事)

税収を召し上げられる都市ではなく、地方の側から「反対」が表明されたのは興味深いことです。

参院選に大敗した与党が地方に秋波を送っている、という見方もあります(「税金まにあ」木村税務会計事務所通信 2007.10.22

・関連→法の「墨守」から「解釈」へ−多選禁止条例成立:2007.10.13エントリ

■年金・社会保障 で「毒まんじゅう」を食わないためには…どうしたら??

cf.05年度の社会保障給付費、過去最高の87兆円:nikkei net 2007.10.26
 国立社会保障・人口問題研究所は26日、2005年度に支払われた年金、医療、介護などの社会保障給付費が87兆9150億円となり、前年度に比べ2.3%増えたと発表した。1950年度の調査開始以来、毎年最高を更新しており、増加率は高齢化の進行を映して3年ぶりの高さになった。高齢者向けの給付が全体の70.2%を占め、3年連続で70%を超えた。

 部門別の内訳をみると最大の年金が46兆2930億円(前年度比1.7%増)で、全体の52.7%を占めた。「高齢化で受給者が増え3 年ぶりの高い伸びになった」(同研究所)。次いで医療費が28兆1094億円(3.6%増)で、全体の32.0%を占めた。介護や生活保護・障害者福祉など「その他」の伸びは1.5%で、医療の伸びが最大になった。

 高齢者向けの給付は61兆7079億円で1.7%増。高齢人口の増加で今後も給付が膨らむことは避けられない。一方、児童福祉手当など児童・家庭向け給付は3兆5673億円で4.1%増えたが、高齢者向け給付の17分の1の規模にとどまる。

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posted by 若葉 at 07:32| Comment(1) | TrackBack(1) | 税制・財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月26日

年金流用禁止法案−事務費が焦点

年金流用禁止:民主の法案審議入り 参院厚労委で:毎日 2007.10.25

asahi.com 2007.10.25
先の通常国会で成立した社会保険庁改革関連法により、保険料の福祉施設などへの使用はできなくなった一方、保険料の運用に必要な事務費や広報費には恒久的に充てられるようになった。
 民主党は「事務費が国庫負担だった98年以前に戻すべきだ。流用を認める限り、再び無駄遣いの温床になる」(長妻昭政調会長代理)と主張。これに対し、政府・与党は「無駄遣いは絶対させない。給付と密接不可分な事務費に充当するのは妥当だ」(福田首相)と対立しており、同法案に関しては、福田政権の「話し合い路線」でも歩み寄りは見られないでいる。

随意契約で無用な広報誌を発行していた例もありますので、
抜け穴はふさいだほうがよいでしょうね。

政争の具になるのは避けたい気がしますが…
毎日 2007.10.25
民主党案の実現には、2000億円強の税財源を確保する必要がある。「賛成しても敵を利するだけ。財源があるなら、肝炎対策など与党の得点になるものに使うべきだ」(自民党幹部)との声が主流となっている。
 民主党は、予算審議が形骸(けいがい)化しがちな特別会計に保険料が計上されている点を突き、「国会のチェック機能が働かない」と訴える…


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posted by 若葉 at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

年金議論開始−経済財政諮問会議

各紙により、まとめ方がかなり異なります。

たぶん確実なのは
基礎年金の税方式・保険料方式の問題点議論=諮問会議:ロイター 2007.10.25
政府の経済財政諮問会議は25日夜の会合で、基礎年金制度の保険料方式と税方式のあり方について意見交換した。2009年度までに安定財源を確保し、国庫負担割合を現行の3分の1から2分の1に引き上げることを確実に実現することなどが確認されたが、全額税方式に切り替えるか、現行の保険料方式を維持するかについてはメリット・デメリットを検討するにとどまった。
 終了後に大田弘子経済財政担当相が会見で明らかにした。
 会議では、1)年金制度のさらなる改革については超党派での合意形成が重要、2)国庫負担割合の2分の1への引き上げの実現、3)未納問題には早急に取り組む必要がある──ことで認識を共有した。未納問題の処方せんでは、諸外国に比べても長い「最低加入期間(現行25年)」の短縮について引き続き検討する。

ということ。

(同記事より)
・大幅な消費税増税試算も隠さず示す背景には、民主党案と比較できる選択肢を示し、国民的議論を巻き起こすのがひとつの狙いとみられる。
・福田康夫首相…「まずは社会保障や少子化について今後のあるべき姿を国民に示したうえで、それに必要な安定財源をどう確保し、将来世代に先送りしないようにしていくことが大事だ。直ちに消費税がいくらかという話ではなく、社会保障とこれを支える税体系のあり方全体について国民の視点にたって議論して欲しい」と述べた。

大局観を重視する政治家側 vs 早急に制度改革を求める民間議員 という視点の違いが浮き彫りです。
合意の得やすい検討課題(最低加入期間[=受給資格期間](現行25年)の短縮)から手をつける、ということのようですね。

民間議員がまとめた基礎年金制度の選択肢:FujiSankei Business i. 2007.10.26

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posted by 若葉 at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月25日

育児支援の費用試算

働く女性の育児支援に1.5兆円必要・厚労省が試算:nikkei net 2007.10.25
 子供を産んだあとも働き続ける女性を増やすには、出産・子育てのための追加費用として1.5兆円が必要――。政府の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議の分科会に厚生労働省がこんな試算を提出した。それによると育児休業給付や保育サービス費として新たに9900億円、地域の子育て支援拠点づくりや児童の預かりなどで5300億円必要になるとした。

日経 2007.10.25より
出産後も継続して働きたいと希望する女性がすべて働いた場合の就業率を55%と仮定し、育児支援などのコスト増を計算した(現在、出産後も働き続ける女性の割合は38%)。

元ネタはこれかな?(予算額までは書いていませんが)
「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議 第7回 点検・評価分科会 h19.10.19

この資料の「子ども・子育て応援プラン」に、いろいろ数値目標が入っています。
たとえば:

継続就業環境整備と仕事と生活の調和(「重点課題U.仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し」より抜粋)

【今後5年間の目標】
・次世代法に基づく認定企業数 計画策定企業の20%以上
・ファミリーフレンドリー表彰企業数 累計700企業
・育児休業制度を就業規則に規定している企業の割合 100%
・男性の育児休業取得実績がある認定企業の割合 計画策定企業の20%以上
・長時間にわたる時間外労働を行っている者1割以上減少
・労働者一人平均年次有給休暇の取得率 少なくとも55%以上等

【目指すべき社会の姿(概ね10年後を展望)】
○希望する者すべてが安心して育児休業等を取得(育児休業取得率男性10%、女性80%、小学校就学始期までの勤務時間短縮等の措置の普及率25%)
○男性も家庭でしっかりと子どもに向き合う時間が持てる(育児期の男性の育児等の時間が先進国並みに)
○働き方を見直し、多様な人材の効果的な育成活用により、労働生産性が上昇し、育児期にある男女の長時間労働が是正
○育児期に離職を余儀なくされる者の割合が減るとともに、育児が一段落した後の円滑な再就職が可能となる。

「育児休業取得率男性10%、女性80%、小学校就学始期までの勤務時間短縮等の措置の普及率25%」を実際に取ると上記の予算が必要、という試算なら、有意義な使い方ですね(実際に使われるとうれしい)。

■育児休業給付(⊆雇用継続給付)の国庫負担は、1/8。
→法66条(2007.3.17エントリ

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2007年10月24日

公的年金改革の試算−??

基礎年金全額税負担で、消費税5―7%上げ必要・諮問会議試算[←?]:nikkei net 2007.10.24
 政府の経済財政諮問会議の民間議員が25日に提出する公的年金改革についての試算の全容が明らかになった。現行の保険料方式を維持しながら基礎年金の国庫負担を2分の1に上げるには消費税率に換算して1%分の増税が必要になる。一方、基礎年金を全額税で賄う税方式に移行すると消費税で5―7%分の財源が不足する。民主党が主張する税方式とも比較できる改革の選択肢を示すことで国民の関心を喚起し、与野党間協議につなげるのが狙いだ。
 民間議員はこの試算を盛り込んだ提言のなかで「(年金制度は)さらなる改革が必要不可欠」と強調。保険料未納や世代間格差、ずさんな運営体制などの問題を解決する手段として、税方式の是非を検討するよう求めている。

主語がわかりません。

・見出しは「諮問会議試算」
・本文は「経済財政諮問会議の民間議員が」

月とスッポンなのだが。

10月25日(木)に経済財政諮問会議(税・社会保障一体改革に関連して、年金制度について議論する予定)とのこと(→今週の予定:nikkei net)。
そのたたき台として一部の人が考えた案…でしょうね、これは。

見出しだけ読むと「諮問会議が開催され、結論として、この記事の試算が正式に採択された」ように読めてしまいます。

同じできごとのようですね:
年金税方式、消費税6%引き上げも=民間議員が試算提示へ−諮問会議:時事通信 2007.10.24

■民間議員の提言は次のとおり:日経2007.10.24 より

●現行制度の問題点…未納者多数・負担の世代間格差・職業や世帯による制度の違い・ずさんな運営体制

●2つの選択肢
(前提:65歳以上全員に基礎年金支給(≠民主党案(中・高所得者はカット))

1.現行方式を継続(2009に国庫負担1/3→1/2):消費税1%up

2.全額税方式
 ・=現行給付:消費税5%up
 ・保険料を払っていない人にも給付(65歳以上):消費税7%up


医療+介護の水準維持のみで最大11%の消費税up要(2007.10.18朝日2007.10.16エントリ
(=現在の率に加えると計16%になる)
→これに年金税方式の財源が加わると、23%[この部分は日経の解説?]


●現行問題の早期解決
「年金は超長期の制度であるため、いったん走り出すと簡単には方向転換ができない」→税方式の長所や問題点を検討する一方、
現行の保険料方式を継続するために抜本的な改革を行う必要性も訴えた
・最低加入期間(25年)[=受給資格期間]の短縮
・高所得者への年金給付に課税し、税収を年金財源に回す
・定年延長とあわせて年金支給年齢をさらに引き上げる

■次の記事に、社会保障の負担についての議論の流れが、よく整理されています。
今なぜ社会保障を試算? 増税論議の“封印”解除:東京新聞 2007.10.19

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posted by 若葉 at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 年金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月23日

雇用保険料率 据え置き方針−本日諮問

雇用保険料率 据え置き方針−厚労省 来年度:日経 2007.10.23

景気回復に伴う雇用保険財政の収支改善で今年度から保険料率を引き下げているが、厚労省が法改正なしで変更できる料率の下限にあるため据え置くことにした。
厚労省は23日、労使代表が参加する労働政策審議会(厚労省の諮問機関)職業安定分科会に諮問し決定する。…

h20年度は平成19年度と同率になりそうですね。

今年度の保険料率(2007.4〜):厚生労働省
平成18年度まで
              事業主負担 労働者負担  計
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
失業等給付のための保険料率    0.80%  0.80%  1.60%
雇用安定事業等のための保険料率  0.35%  なし   0.35%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計       1.15% 0.80% 1.95%

平成19年度から
               事業主負担 労働者負担 計
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
失業等給付のための保険料率    0.60%  0.60%  1.20%
雇用安定事業等のための保険料率  0.30%  なし   0.30%
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計       0.90% 0.60% 1.50%

※農林水産業、清酒製造業及び建設業の失業等給付のための保険料率については労使双方0.1%ずつの上乗せがあり、また、建設業の雇用安定事業等のための保険料率については0.1%の上乗せがある。

■法改正なしで変更できる料率の下限: →2007.3.17エントリ[改正前の条文→そのままでは使えません。考え方だけご参照ください]

雇用保険料率は、本則(雇用保険法66条)×弾力条項(徴収法12条5項(一般保険料率)・8項(三事業分))で決定

(一般保険料に係る保険料率)徴収法第十二条
5 厚生労働大臣は、毎会計年度において…必要があると認めるときは、
労働政策審議会の意見を聴いて、
一年以内の期間を定め、
雇用保険率を千分の十五・五から千分の二十三・五まで
(前項ただし書に規定する事業(同項第三号に掲げる事業を除く。)については
千分の十七・五から千分の二十五・五まで、
同号に掲げる事業については千分の十八・五から千分の二十六・五まで)
の範囲内において変更することができる。

8  厚生労働大臣は、毎会計年度において[諸費用が一定条件に至った場合には]
雇用保険率を一年間その率から千分の〇・五の率を控除した率に変更するものとする。

9  前項の規定により雇用保険率が変更されている場合においては、
第五項中[の数値をそれぞれ0.5ずつ小さくする]。

h19改正概要:厚労省資料
○失業等給付の弾力料率を±0.2%から±0.4%に拡大
※平成19年度からの料率1.6%→1.2%
○雇用安定事業等の弾力条項の連続発動期間の制限(2年間)を撤廃
※平成19年度からの料率0.35%→0.30%

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2007年10月22日

救助信号!

NOVA労組、22日に2度目のスト:nikkei net 2007.10.22
NOVAの東日本の外国人講師らが入る全国一般労働組合東京南部ノヴァ教職員組合(東京・港)は21日、安定雇用や団体交渉の実施を求めて22日にストライキをすることを決めた。組合員全員が一斉にストライキをするのは16日に続き2度目。組合員数は公表していないが、数十―数百人と見られる。同労組によると、16日のストでは非組合員によるボイコットも含めて1000人規模になったという。…支払いが遅れている給与を19日までに払うと説明していたが、21日時点でも支払われていないもよう。…広報担当者は「20日以降は講師の欠勤が増え…実質的に閉校状態にある教室数は把握できていない」としている。

速やかに救命ボート要ですね(船を引き上げるかどうかは別問題)

■これまでの経緯

NOVAに是正勧告・労基署が給与不払いで:nikkei net 2007.10.6
NOVA問題、「受講生被害防止を」・労組が経産省に要請:nikkei net 2007.10.9

新株予約権を2億株分発行・NOVA64億円調達へ:nikkei net 2007.10.9
…割当先は英領バージン諸島に本拠を置く投資業のリッチペニンシュラトレーディングリミテッドとタワースカイプロフィッツリミテッドで1株の行使価額は35円。両社がすべての予約権を行使すれば、諸費用を差し引き、NOVAは64億円を調達…人件費や家賃などの運転資金に充てるという。

??!!
と思ったのですが …会社のオーナーが入れ替わる、というシナリオもあるかも(実質的な国籍はどこ?)

NOVAが改善報告書を再提出:nikkei net 2007.10.19
 ジャスダック証券取引所から内部管理や適時開示体制についての改善報告書の再提出を求められていた英会話学校最大手のNOVAは19日、新たな報告書を提出…猿橋望社長の適時開示の重要性に対する理解が欠けていたことなど五つの問題点を指摘…意識改革などを盛り込んだ。…

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2007年10月21日

ねじれ国会に伝家の宝刀?

“3分の2条項”使っても、谷垣氏が予算法案重視の考え:読売 2007.10.20
 自民党の谷垣政調会長は20日、京都市で講演し、来年の通常国会で道路特定財源の暫定税率を延長するための租税特別措置法改正案などの予算関連法案が民主党などの反対で参院で否決された場合、衆院で3分の2以上で再可決し、成立を図るべきだとの考えを示した。
…「(租特法改正案が否決されれば)2兆数千億円の税収欠損が生じ、公共事業をどう執行すればいいのか…税法はあらゆるところで国民生活に影響を及ぼす…衆院で『3分の2』の多数を使う必要がある時は、断固として使わなければいけない」…
 道路特定財源の暫定税率に関し、政府は道路整備費が足りないとの理由から、揮発油税などに本来の税率の2倍以上高い暫定税率を課しているが、2007年度末で期限が切れる。

2008年1月25日から、通常国会(第169回)が召集されます。
3分の2条項。年金、労働契約法、…には、使わないと思いますが…

日本国憲法第五十九条 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

■国会のルールを逆手に取った方法として、今国会(第168回)では、次のようなシーンも:

ガチンコ国会 野党「一事不再議」作戦:産経 2007.10.17
□法案丸のみ? 与党策なし? 
 テロ対策新法が17日に閣議決定され、臨時国会は1カ月遅れで本格的な与野党激突に突入する。民主党は、政府・与党の提出法案が衆院通過するよりも早く、参院で対案で可決させてしまい、同一テーマを同一院で審議しないことを定めた国会法「一事不再議の原則」を盾に政府・与党法案を跳ね返す方針をちらつかせる。野党がこの戦術を徹底すれば、法案の多くは立ち往生するだけに与党は頭を悩ませている。

一事不再議の原則:国会法第56条の4の規定。「各議院は、他の議院から送付又は提出された議案と同一の議案を審議することができない」と定められている。同じ議案の審議を制限し、会期を有効に使うことが法の目的で、これまでは野党が同じ閣僚への問責決議案を1国会に2度提出しようとした場合、与党が拒絶する際に多用してきた。政府提出法案に対し、野党が対案を立ててこの原則を使ったケースは過去にない。

≪与党と対立必至の主な民主党独自法案≫
・被災者生活再建支援法改正案
・政治資金規正法改正案
・労働契約法案
・独立行政法人・特殊法人見直し法案
・B型・C型肝炎対策緊急措置法案
・年金制度改革関連法案
・障害者自立支援法改正案
・イラク特措法廃止法案
・年金保険料流用禁止法案

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posted by 若葉 at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月20日

住み込み管理人の労働時間、休日は別扱い−最高裁判断

休日に犬の散歩ダメ 住み込み管理人の残業代で最高裁:2007.10.19 中国新聞
 犬の散歩は残業ではない―。住み込みのマンション管理人に対し、時間外や休日の勤務への手当をどこまで支払うかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(津野修つの・おさむ裁判長)は十九日、平日の早朝・深夜の残業代を認める一方、休日は実働時間に限り、犬の散歩や通院時間は除くとの判断を示した。
 犬の散歩を含めて管理人側の主張を広く認めた二審判決を破棄。残業代の具体的金額を算定するため、審理を東京高裁に差し戻した。

 原告は一九九七―二〇〇〇年、東京都北区の分譲マンション管理人だった夫婦。
 津野裁判長は各業務を検討し(1)平日は朝から夜まで住民の要望に応じて待機し、管理会社も報告を受けていたので労働時間(2)土曜勤務は契約で合意していた一人分のみ(3)契約上は休日の日曜は、会社が指示した管理人室の点灯やごみ置き場の開閉などをした実働時間だけ(4)通院や犬の散歩は私的行為で労働時間ではない―と判断した。

 管理会社は手当として夫に月一万五千円、妻に一万円を一律支払っていたが、夫婦は犬の散歩なども残業に当たるとして総額計約四千万円の支払いを求め提訴。一審は八百万円、二審は約六百四十万円の支払いを認め、管理会社側が上告していた。

住み込みの管理人…適用除外の断続的労働者(労働基準法41条3号)でしょうか。
(行政官庁の許可を受けていたとは、記事には書いていませんね)

可能性は2つ
・「所定労働時間外にも、住民らに対応できるよう待機せざるを得ない状態に置かれていた」と述べ、残業代は支払われると判断した。(時事通信 2007.10.19) →断続的労働ではなく通常の労働者?
・早朝・深夜のみ認める →断続的労働者?

断続的労働者として…この判決は、次のように評価したのかな?

●3つの部分に分割して、それぞれ別個に評価

・平日:朝から夜まで住民の要望に応じて待機し、管理会社も報告を受けていた →断続的労働×夫婦2人分

・土曜勤務は契約で合意していた一人分のみ →断続的労働×1人

・日曜
  労働契約上、休日
  会社が指示した作業の実働時間だけ
   →断続的労働ではなく通常の休日労働(時間単位で数える)

●→平日・土曜は断続的労働+深夜割増賃金(細かい評価はせず)
  日曜は労働時間を細かく評価し、私的時間を除いて休日割増

金額の変化(4000万→800万→640万→?(640万未満))から想像すると

管理人(原告):時間外労働(通常時間帯+早朝・深夜(労働基準法にいう「深夜労働」)+休日労働 を請求

一審・二審:時間外労働(早朝・深夜)+休日労働 を、まとめて認める

最高裁(今回)
 :時間外労働(早朝・深夜):まとめて認める
  休日労働:を細切れに分割し、実働時間のみ認める

と変化したのでしょうか。
(そうすると、逆に一審・二審が「犬の散歩・通院」まで含めた理由が解らないな。
労働時間 とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をさします(法32条,三菱重工業長崎造船所事件(最一小判 h12.3.9))。したがって「犬の散歩・通院」は、既存の判例からしても認められるものではないはず(→2007.1.17エントリ

一審・二審は、
・1週間全体を契約上の労働時間としていた
・土曜・日曜の労働者を、夫婦としていた
のかな? とも一瞬思いましたが、事実認定は最高裁と高裁で同じはず。おそらく「解釈だけが変わった」のでしょう)

行間を想像するに、証拠から事実を構築するのが最も大変な作業なのかもしれませんね。

既存の判断基準を踏襲した判決かなと思います。(「犬の散歩・通院」という事例 および 休日の扱い が入ったところが新しいのかな?)

■…と、ここまで考えてきて「すべての休日に労働していたのなら、それは休日を与えたことにならない(=1週1休違反)のでは?」という疑問がわいてきました。
うーむ…

■cf.
管理監督者の深夜労働手当:労務行政研究所
(昭63. 3.14 基発150、平11. 3.31 基発168)
労基法41条は第4章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、 休憩及び休日の規定を適用除外としているものであり、深夜業の関係規定(第37条の関係部分及び第61条の規定) は適用が排除されるものではない。
したがって、本条により労働時間等の適用除外を受ける者であっても、第37条に定める時間帯に労働させる場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければならない。ただし、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない。

2007.1.23 過去問(労基)第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(21)

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2007年10月19日

パワハラの労災認定、新基準を示す

労災の判断指針(心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針)より
職場における心理的負荷評価表

「労災の判断指針」には「セクハラ」「上司とのトラブル」はありますが、心理的負荷強度はT、Uと小さく、「心理的負荷の強度V(人生の中でまれに経験することもある強い心理的負荷)」にはなっておりません。
判決・裁決は「レベルV」を認めており、画期的といえます。
地裁判決ですので、上級審での審理を経て基準が改定されることが望まれます。

●<パワハラ>盛岡の「労災自殺」認定 労働保険審査会:毎日新聞 10月18日
 盛岡市の男性会社員(当時31歳)が99年に自殺したのは過労や上司のいじめが原因だとして、両親が請求した労災補償について、厚生労働省の労働保険審査会は労災による自殺と認定する裁決をした。盛岡労働基準監督署が不支給とし、岩手労働者災害補償保険審査官が審査請求を棄却したため、両親が03年3月に審査会に再審査を請求していた。 裁決は15日にあり「叱責(しっせき)、指導による心理的負担は単に『上司とのトラブル』と評価するのは妥当ではなく、一方的にパワーハラスメントを受けているような状況だった」と認定した。
 裁決などによると、会社員は96年に日産部品岩手販売(本社・盛岡市)に入社し、99年8月ごろ盛岡営業所に配属。毎月、計約85時間の時間外・休日労働を続け、当時の営業部長=退職=に毎日のように叱責を受け同年12月に首つり自殺した。
 今回の裁決は上司の叱責の心理的負荷を「これまでの認定より強い『人生でまれに経験することもある強いストレス』に修正すべきだ」としている。

●上司の暴言と自殺の因果関係認める 東京地裁判決:朝日新聞 2007.10.15
 上司から「お前は給料泥棒だ」「目障りだから消えてくれ」などと言われ続けた会社員が自殺…東京地裁は15日、自殺と暴言との因果関係を認め、会社員の死を労災と認める判断を示した。渡辺弘裁判長は「心理的負荷は、人生でまれに経験する程度に強度だった」と指摘した。…原告側によると、パワーハラスメント(職権を利用した嫌がらせ)を原因とする自殺を労災と認めた司法判断は初めて。代理人弁護士は「これまで上司の暴言も『指導上の範囲だ』とされ、労災認定から放置されてきたことに一石を投じる判決だ」としている。
 03年3月に自殺した医薬品販売会社「日研化学」(現・興和創薬)の男性社員(当時35)の妻が、労災に対する給付金を不支給とした静岡労働基準監督署の処分を取り消すよう求めていた。

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posted by 若葉 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 安全衛生・労災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月18日

財政黒字と給付の両立、必要な国民の負担増は?−内閣府+経済財政諮問会議

最大6.6兆円の増税必要 内閣府、11年度黒字化へ:共同 2007年10月17日
 内閣府は17日、国・地方の基礎的財政収支を 2011年度に黒字化するには、歳出削減が進まない場合、最大で消費税2.5%分の6兆6000億円の増税が必要との試算をまとめ、経済財政諮問会議に提示した。政府債務水準を増やさず社会保障の給付を維持するには、25年度に最大31兆円の増税が必要とも試算。全額消費税で賄った場合、税率は17%程度まで上がることになる。

 内閣府が財政収支見通しの中で、増税必要額を明示したのは初めて。社会保障給付の在り方や消費税率引き上げなどをめぐって、今後の税財政論議に影響を与えそうだ。

 政府はこれまで国内総生産(GDP)名目成長率が平均3%で推移し、14兆3000億円の歳出削減を達成すれば、11年度に基礎的財政収支を黒字化できるとの見通しを示していた。

大規模な消費増税必要? 経済財政諮問会議:産経新聞 10月17日
<内閣府>消費税10%台後半も 社会保障費の必要額試算:毎日新聞 10月17日
2025年度社会保障費、最大29兆円不足…内閣府試算:読売新聞 10月18日
消費税最大2.5%上げ必要、諮問会議が内閣府試算を了承:nikkei net 2007.10.18

■元ネタ:経済財政諮問会議(平成19年第23回)平成19年10月17日

■連想:

・数字のトリックがあるかも(例:1997年厚生労働省「年金改革・五つの選択肢」厚生年金被保険者と全人口を故意に混同し辛目の試算:岩瀬達哉『年金大崩壊』2003 より)

と思う一方で

・早くしないと手遅れ?
年金騒動の政治経済学−政争の具としての年金論争トピックと真の改善を待つ年金問題点との乖離:権丈善一

おそまきながら、経済財政諮問会議 というものを、継続的にウォッチしていく必要があると感じました。



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posted by 若葉 at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月17日

税制でつまずく? 投資に冷水:2題

「既存の税制」が将来も続くことを前提に将来設計すると、痛い目にあう。
とよく聞きますが…
それに近いものは感じました。

政府税調 証券優遇税制廃止を答申へ:asahi.com 2007.10.17
 08年度税制改正の焦点となっていた、株式取引などの税負担を軽減する証券優遇税制について、政府税制調査会は16日の会合で廃止を求めることで一致した。11月末にまとめる答申に盛り込む見通しだ。異なる商品にまたがる金融所得課税の一体化も求める。…
一部委員から「市場への影響を考える必要がある」との意見が出たが、廃止自体に異論は出なかった。今後は、ある金融取引で生じた利益を、別の金融商品の損失で相殺して税負担を減らせる「損益通算」の範囲拡大を検討する。株式の配当と売却損を相殺できる仕組みが有力とみられている。
 証券優遇税制は、年間の減税規模が数千億〜1兆円にのぼる。減税の恩恵が一部の富裕層に集中するため、民主党など野党が「金持ち優遇であり、廃止すべきだ」と批判。一方、金融庁や証券業界は「家計の『投資から貯蓄へ』の流れを後押しする必要がある」として、継続を求めている。
…政府税調はこの日、すべての納税者に番号を割り振って、課税逃れを防ぐ「納税者番号制度」の検討推進を答申に盛り込むことも確認した。

私自身は廃止されないほうがうれしいのですが:
「金持ち優遇」はあたっていると思いますので、しかたないのかな?

不動産投信に課税リスク−米ファンド買い占め 「税制優遇」外れる恐れ:日経 2007.10.17

税制リスクに揺れるREIT―買い占めで損金否認も:日経金融新聞(2007/09/26)
 不動産を所有する法人でありながら、利益の九割超を配当すれば分配金原資には課税されない不動産投資信託(REIT)。ところが投資ファンドが株式会社の株式に相当する投資口を買い占めたことをきっかけに、中小REITの一部でこの優遇が受けられない税制上のリスクが浮上している。分配金の大幅減を嫌気して投資口価格は急落。ファンドに買い増しの好機を与えている。

 REITの税制は所得と分配金への二重課税を避けるため、分配に充てる所得を税務上の損金に算入できる。ただ、決算期末時点で三人以下の投資家が発行済み投資口の過半数を保有した場合、法人税法上の「同族会社」とみなされ、課税免除の対象から外れる。通常の企業並みに課税されると分配金は四割程度減少する可能性がある。…

株を誰が買うか、によっては税制優遇の対象外になりうる…
他のREITでも起こりうるリスクですね。
(ファンドが買い占めると優遇の対象外になる、というしくみがわかりませんが…あ、それが後段の説明か)

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posted by 若葉 at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月16日

プライマリー・バランスに黄信号−財政膨張圧力

11年度財政黒字化目標、最大6.6兆円税収不足・内閣府試算:nikkei net 2007.10.16
 内閣府は政府目標である2011年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化に関し、追加歳出で歳出削減ペースが鈍ると最大で 6兆6000億円の税収不足になるとの試算をまとめた。与野党から地方などに配慮した歳出増加圧力が強まるなか、歳出を抑えるか増税しないと財政健全化目標を達成できないことを示している。

 プライマリーバランスは行政サービスにかかる政策的経費を借金せずに税収などで賄えているかどうかを見る指標。日本は税収だけでは不足し、毎年新たな国債を発行して補っている。試算は内閣府が17日の経済財政諮問会議に提出する。

[日経 2007.10.16 紙面より]
○計画どおり…07-11年度に3.0%の名目成長率、歳出を14兆3000億円削減→増税なしで収支は11年度に黒字
しかし
 08年から年1兆円追加支出→黒字化には3兆2000億円の増税要
 +名目成長率2.2% →必要増税額は6兆6000億円に

○民間エコノミストの予測では、07年度の名目成長率は1%台にとどまるので、さらにハードルは高い

○経済財政諮問会議は議事録が公開→政府は経済財政運営の選択肢を示し、国民の関心を高めたい考え

政策充実vs財政難 という図式を見るたびに、
「個々の使い方を検証する(=無駄・非効率を省く)ことで、額を抑え、かつ効率的な支出はできないのか?」と考えてしまいます。

今回の内閣府発表は、与野党などの歳出膨張圧力をけん制する狙いがあるようです。

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posted by 若葉 at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 税制・財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月15日

暖冬+大雪 の予感

「爆弾低気圧」増加、暖冬で・太平洋側で雨雪多く:nikkei net 2007.10.13
 暖冬だと日本付近を猛烈に発達しながら北上する「爆弾低気圧」が増え、太平洋側で雨や雪が降りやすくなるとの分析結果を東京大学のグループがまとめた。温暖化が進むとこのパターンが現れやすくなり、「日本海側は大雪」「太平洋側は寒い晴天」という従来の冬の天気分布が崩れる可能性があるという。

 東京大学大学院の中村尚・准教授らは、12時間に中心気圧が10ヘクトパスカル以上下がり、爆弾低気圧と呼べる低気圧が1、2月にいくつ発生したかを調べた。暖冬だった1987、89、90、92、94年は計73個で、うち14個は15ヘクトパスカル以上下がった。寒かった81、83、 84、85、86年は10ヘクトパスカル以上低下した低気圧は計53個で、15ヘクトパスカル以上は4個だった。

数年前に「暖冬」といわれながら、極端に寒い日(大雪)が続いた年がありましたね。

にしても「爆弾低気圧」…(戦時中じゃあるまいし):

爆弾低気圧:Wikipedia
急速に発達する温帯低気圧を爆弾低気圧という。世界気象機関の定義によれば低気圧の緯度を φ とし、24時間で 24×(sin φ/sin 60°) hPa 以上の中心気圧の低下が見られたものをいう。日本付近は世界の中で爆弾低気圧の発生がもっともよく見られる地域である。ただし、日本では気象予報用語としては使用しない用語とされており、「急速に発達する低気圧」と言い換えている。

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posted by 若葉 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

75歳以上入院を在宅へ誘導:選択肢増えるか?

主治医と連携に手厚い報酬 75歳以上入院を在宅へ誘導:共同通信 2007/10/12
http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007101201000523.html
 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度が来年4月に創設されるのを控え、中央社会保険医療協議会(中医協)で12日、同制度独自の診療報酬体系をめぐる議論がスタートした。厚生労働省は病院などでの入院医療の評価基準について、在宅医療を担う地域の「主治医」との連携を密にしたケースに対し、診療報酬を手厚くすることを提案した。

 高齢者医療費の膨張要因となっている長期入院を減らし、症状が慢性化した患者の治療は在宅で行うよう誘導する狙い。

 手厚い報酬とする具体例として(1)主治医の要請に応じ、症状が急変した患者の入院受け入れ(2)患者の日常生活能力や認知機能などをチェックし、退院後を見越した診療計画の策定(3)訪問看護ステーションの看護師らによる退院時の支援−などを挙げた。
 入院先の医療機関にも退院後の療養生活を視野に入れた診療実施を求めるとともに、患者が最も不安を感じるとされる退院直後について重点的な支援を図る内容だ。

日経はこんな感じ
75歳以上の入院診療報酬、主治医と連携で加算・厚労省方針:nikkei net 2007.10.13
 厚生労働省は12日、来年4月からスタートする75歳以上の後期高齢者医療制度で、患者の主治医と連携して入院治療をした病院に診療報酬を加算する方針を固めた。地域の主治医が患者の入院後も医療を提供できるよう環境を整備するのが狙い。次期診療報酬改定で実現を目指す。

 患者の主治医から診察履歴や薬歴を確認し、主治医の要請を受けて入院を受け入れた病院に診療報酬を加算する。

 入院中も患者の日常生活能力や認知機能、意欲などを多角的に評価して主治医と情報交換すれば報酬を加算する。退院後を見越して在宅介護をする人と情報を共有した場合も加算の対象。主治医との情報交換の場に歯科医や薬剤師が参加した場合も加算する方針。

「高齢者は簡単には病院に入院できない・すぐ出す」という形で、選択肢を減らすほうに重きを置かれないとよいのですが…

ただ「療養は畳の上で」という希望は多いと聞きます。
実際にうまく「かかりつけ医」と「専門医」がうまくリンクできれば(=お年寄りを主役にできれば)、いい医療が実現しそうな気はします。

どちらにいくのか?

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posted by 若葉 at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月14日

りそな銀、支店長廃止−企業組織に独自色

りそな銀、支店長廃止 来年度にも全店で−大手銀で初:日経 2007.10.14

・15日から東京都内と関西の計4地域で試験的になくし、2008年度から全廃の方向で検討
・行員の法令順守[ 法令遵守 では?(サーチすると「順守」という用例も出ますが…詳しい方ご教示ください)]の徹底など内部管理で支店長の負担が重くなっているため、内部管理と営業担当の責任者を分けておくことで、顧客との接点を強化

[追記:nikkei net 2007.10.14]
新しい体制では3―6カ所の支店を1つの営業単位にまとめたうえで、大企業や中堅・中小企業、個人など顧客層ごとに責任者となる「営業部長」を置いてその地域を統括させる。一方、各支店の内部管理は新設の「お客様サービス部長」が担当する。

下記にあたる人がいなくなるわけですね。(権限を分割して持つのかな?)

(支配人)会社法第十条  会社…は、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。

(支配人の代理権)会社法第十一条  支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。(2項・3項略)

(表見支配人)会社法第十三条  会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。

最新の資料がとっさにみつからないので、はっきり判断できませんが、営業力強化を経営の柱に掲げておられるようなので、その一環として踏み切られたのかな、とも思います。
りそな銀行、渉外担当の営業力強化−エース級がノウハウ伝授、東京西地域で勉強会:ニッキン 2006.10.20
http://www.nikkin.co.jp/020190/160.html

「副支店長職の廃止」という項目は、下記資料にありました(やや古いですが)。今回も、この文書の延長上かな?

ブリーフィング 細谷英二会長 平成16年3月25日
(今回の件と関係ありませんが、「変形労働時間制の導入について」という項目もあり)

経営の健全化のための計画〜「集中再生期間」における工程表

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posted by 若葉 at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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