●経緯・判決
三菱樹脂事件 最大判s48.12.12:判例検索システム
『私法関係と基本的人権』―三菱樹脂事件:近畿大学大学院
http://dai18ken.at.infoseek.co.jp/kenpou/99/1-mitsubishi.html
「学校又は自治会」欄等への虚偽申告・面接等での虚偽回答を理由に、試用期間満了と共に本採用を拒否
1審:回答が事実に相違…悪意は介在せず→「管理職に不適格」は主観、解雇権の濫用
2審:原告の秘匿し、虚偽の申告をした事実は、原告の政治思想・信条に関する事実→入社試験で申告させることは公序良俗違反、解雇は労基法第3条に違反し無効
↓
最高裁
・憲法の規定は国・公共団体と個人との関係を規律、私人相互の関係を直接規律しない(一方の他方に対する侵害が許容限界超→法が介入し調整)
・憲法は思想・信条の自由と法の下の平等を保護すると同時に、財産権の行使・営業その他広く営業活動の自由をも基本的人権として保障 →企業者は、いかなる者をいかなる条件で雇うか原則として自由に決定可、特定の思想・信条を有する者の雇い入れを拒んでも当然に違法とすることはできない。→採否決定にあたり労働者の思想・信条を調査し関連事項に申告を求めても違法ではない。
・労働基準法三条…雇入れの段階と雇入れ後の段階との間に区別(前者:企業者の自由を広く認める 後者:労働者の既得の地位と利益を重視、一定の限度で企業者の解雇の自由に制約を課すべきであるとする。
本件本採用の拒否…留保解約権の行使=雇入れ後における解雇
・前記留保解約権の行使は、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される=採用決定後の調査・試用中の勤務状態等により、当初知ることができ[知ることが期待でき]ない事実を知った+その上の判断が解約権留保の趣旨・目的に徴して客観的に相当であると認められる場合に可。その程度に至らない場合には不可
●憲法−間接適用論
all about 憲法と人権の話、応用編 2004.7.19 辻 雅之
http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20040719A/
1ページ目【憲法は私人と私人、つまり個人と企業との間などには適用されない!】
2ページ目【私人と私人の間に憲法を「間接適用」するというウラ技があった!】
3ページ目【憲法に規定されていない「新しい人権」はどう保障しているのか?】
民法 第90条
公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス
↓
憲法の人権規定は「公ノ秩序」→民法を使った憲法人権規定の間接適用論は定着し、その後も女子の昇進差別や賃金格差などを定めた就業規定は無効という判断が続く
最近では、民法709条で人権を守ることも憲法の間接適用
民法 第709条[不法行為]
故意又ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス
●労働基準法3条について:
・採用時の差別:男女雇用機会均等法で禁止(5条)
・最近の判例…思想・信条の調査を「違反」:
関西電力事件 最三小判平7.9.5
http://kobetsu.jil.go.jp/kobetsu/book/96.html
道幸哲也「職場における人権保障法理の新たな展開」1997.1
…特定の事由に基づく労働条件上の差別は明文の定めによって禁止されているが,それ以外の事由に基づく差別の適否も争われ始めている。
…その点を明確に確認し,一定の判例法理を確立したのが前掲・関西電力事件最判にはかならない。本件では,共産党員やその同調者に対する職場内外での監視活動や職場内における孤立化政策が不法行為に当たるか否かが争われ,最判は次のように判示してその成立を認めた。…「職場における自由な人間関係を形成する自由を不当に侵害するとともに…プライバシーを侵害…」
…労働者に対して,私事を申告,表明させる行為…これは主に採用時に問題になり,…三菱樹脂事件最高裁判決(最大判昭和48・12・12)は,採用希望者の全人格的な評価のために,使用者には広汎な質問が許されるという判断を示している。…
ほか、政党所属の申告を要求可?(東京電力事件 最二小判昭和63.2.5)
業務命令で始末書等の提出を強制可?(西福岡自動車学校事件 福岡地判平成7.9.20)
労働判例という以前に、憲法判例だったんですね。
というわけで、メモメモ(..φ)
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