2007年11月20日

単位労働コスト ってなに?

・雇用者報酬を実質GDPで割って算出した値:FujiSankei Business i. 2007/5/24
・モノやサービスを1単位生み出すのに必要な労働費用であり、人件費を生産量で割って算出できる。:農林中金総合研究所より
・名目賃金上昇率から生産性の上昇分を差し引いたもの。企業が一定量のモノを生み出すための労働コスト。:Wisdom より

下の記事(FujiSankei)によると、単位労働コストの数値は

・1.景気回復の初期に急速に低下 →2.賃金の上昇とともに徐々に低下速度が鈍る
・2'.数値が上昇すれば、労働コストの上昇を吸収するため企業が製品価格の引き上げに動く=物価が上がる可能性が高まる

と推移するとのこと。

「単位労働コストの低下幅が広がっている」という上の記事(nikkei,ロイター)は、
上記「フェーズ1→フェーズ2」の移行が足踏み(むしろ逆行)している、という意味かな。

すなわち
・賃金増加が足踏みしている
・それにより、デフレスパイラルからの脱却が遅れている
ということでしょうか。

7─9月期単位労働コスト、4─6月期より下落幅拡大=内閣府:ロイター 2007.11.13
内閣府は7─9月期のGDPの発表を受けて、同四半期の単位労働コストが前年比マイナス1.95%と、4─6月期のマイナス1.23%から下落幅がやや拡大したと発表した。1─3月期はマイナス2.11%だった。
 単位労働コストは2004年1─3月期にマイナス8.09%と、このところの底をつけた後、徐々に改善、06年4─6月期にはマイナス0.01%に縮小した。しかし、その後は再びマイナス幅が拡大しつつある。
↓(?)
賃金、低迷脱出見えず・単位労働コスト、日銀が判断下げ:nikkei net 2007.11.20
  緩やかな景気回復が続くなか、賃金がなかなか上がらない状態が続いている。世界的な競争に直面する企業が人件費抑制を続けているうえ、中小企業を中心に原油高で収益が厳しくなっているためだ。日銀は2008年度までの経済見通しで、賃金面から物価動向をみた「単位労働コスト」について判断を下方修正。中小企業を含む全産業ベースの今冬のボーナスは昨年よりも厳しい予想となっている。

 厚生労働省の毎月勤労統計では、9月の1人あたり平均の現金給与は27万3008円で前年同月比0.6%減。現金給与は06年12月から8カ月連続マイナスとなった後、8月にはいったん0.6%増とプラスに転じたが9月には再びマイナス圏に戻った。雇用者数の増加で、賃金総額は増えているものの、1人当たり賃金は弱含む状況が続いている。

単位労働コスト−デフレ脱却指標の1つ/1−3月はマイナス幅拡大:FujiSankei Business i. 2007/5/24
 17日[5/17?]に内閣府が発表した2007年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)は年率2・4%増となったものの、政府が06年度内を目指していた「デフレ脱却」宣言は見送られました。理由の一つとして、大田弘子経済財政担当相は、企業が一定量のモノをつくるのに必要な賃金コストを示す指標である「単位労働コスト」のマイナス幅が昨年夏以降拡大している点を挙げました。

 単位労働コストは、雇用者報酬を実質GDPで割って算出した値のことを指し、1〜3月期は前年同期比マイナス1・8%と、前期よりもマイナス幅が0・8ポイント拡大しました。

 一般に、単位労働コストの数値は景気回復の初期に急速に低下し、賃金の上昇とともに徐々に低下速度が鈍るとされています。また、数値が上昇すれば労働コストの上昇を吸収するために、企業が製品価格の引き上げに動く、つまり物価が上がる可能性が高まるとされています。

 ここ3四半期の動きをみると、昨年第3四半期(2006.7-9月)が前期比プラス0・08%、第4四半期(2006.10-12月)がマイナス1・0%、今年第1四半期がマイナス1・8%と、低下幅が拡大しています。このことは、賃金コストは低下傾向にあり、結果的に企業が製品価格上昇には動いておらず、足元の物価は弱いまま推移すると読み取ることができます。

 単位労働コストは、内閣府が「デフレ脱却」を判断する4つの指標のうちの1つです。内閣府ではこれ以外に、物価の総合的な動きを示し、GDP速報発表時に公表される「GDPデフレーター」「消費者物価指数(CPI)」、経済全体の需要と供給の差を示す「需給ギャップ」の3つを判断材料としています。…
 4つの指標のうち、改善傾向がみられるGDPデフレーター以外は、いずれも弱いデータとなっており、これでは「デフレ脱却」を宣言する材料が不足していると言わざるを得ません。
[記事執筆時点(2007.5)の判断だが現在も変わっていないと思われる:若葉]

■単位労働コストの上昇 には、
・インフレ圧力になる と同時に
・国際競争力を低下させる
という両面があるようです。:「CPIと単位労働コスト」農林中金総合研究所Wisdom より

■日経 2007.11.20より
[単位労働コストについて日銀が判断を下方修正]…背景には、複雑な要因がからんでいる。大企業は国際競争の観点から、人件費を抑制する姿勢を維持。特に所定内賃金の引き上げを渋っている。給与水準の高い団塊世代の退職を補うため、新規採用や退職者の再雇用で対応していることも影響している。さらに最近では「国際商品市況の高騰などで企業の収益環境が厳しくなっていることから、ボーナスなども厳しくなっている」(ニッセイ基礎研究所の斉藤太郎シニアエコノミスト)という。
民間調査機関などの予測では、代表的な物価指標である消費者物価指数(CPI)は今後、前年同月比で上昇に転じるとの見方が多い。ただ原油などの価格上昇などが主な要因になる見込み。
日銀が想定していたのは、景気回復が賃金増加につながり、消費拡大と物価上昇に波及するシナリオだった。所得の増加が、物価の上昇の影響も吸収する形だ。だが現在の食品などの価格上昇は、賃金上昇に伴うものではなく、実質購買力低下と消費者心理悪化を招きやすい。
足元では労働需給が引き締まっているが、景気の先行きには不透明感が漂う。今後も賃金が上がりにくい状況が続く可能性がある。

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posted by 若葉 at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雇用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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