2007年12月15日

公取委審判制のゆくえ−独禁法改正をめぐる動き

「行政審判→裁判」というワンクッションをやめて、いきなり裁判 …

敷居が高くなりそう。
年の漢字が「偽」になる世相への対応としては、逆行している気がします。

また、「ワンクッションをなくする」というだけの話ではないようです(例:「実質的証拠法則」など迅速性のための制度)。

経団連、公取の審判制廃止を改めて提言:2007.11.19
 日本経団連は19日、公正取引委員会が処分の是非を自ら判断する「審判制」の廃止を求める提言を発表した。課徴金納付命令などの処分への企業からの不服申し立ては、地方裁判所で審査すべきだと改めて主張。次の通常国会での独占禁止法の改正をにらみ、政府・与野党に働きかけたい考えだ。…公取委が審査で得た証拠を当事者の企業側に開示することなども求めた。

公取委の審判制廃止で一致・自民独禁調:nikkei net 2007.12.12
 自民党の独占禁止法調査会は12日、公正取引委員会が行政処分の是非を自ら判断する「審判制度」の廃止を求める方向で一致した。同制度を廃止するかどうかは公取委が来年の通常国会の提出を目指している改正独禁法の焦点の一つとなっていた。ただ公取委は「独禁法の審判は高度な専門性が必要だ」などとして制度の存続を求めており、そのまま廃止につながるかどうかは不透明だ。

 公取委は談合やカルテルなど企業の独禁法違反行為を調査し課徴金を科すなどの行政処分を行う一方、その処分に対する企業からの不服申し立ての第一審に当たる判断をする。これについて自民党や日本経団連は以前から「検察官が裁判官を兼ねるようなもので公正ではない」と指摘。審判制を廃止し、判断を裁判所に委ねることを求めてきた。

 自民党は関係省庁などと調整したうえで、審判制の廃止を独禁法改正案に盛り込ませたい考え。公取委が現行の審判制を維持したまま法改正に踏み切るには難しい情勢になっている。

「審判制廃止」で公取委が反論へ:nikkei net 2007.12.12
 公正取引委員会の伊東章二事務総長は12日の記者会見で、自民党の独占禁止法調査会が公取委による審判制の廃止を求めていることについて「(審判制の)必要性を各方面に説明していく」と述べ、現行制度の維持に理解を求めた。

■公正取引委員会の審判制度は「行政審判」です。

・yahoo知恵袋より
Q:行政審判は行政権ですか、司法権ですか?
もし行政権ならば、行政が裁く権利を有する根拠となる法律は何ですか?

A:行政機関が行いますが、内容としては司法権でしょう。
各行政手続に関する法律に根拠がありますが、一番有名なのは独占禁止法関係でしょう。専門的な判断が絡んでくる内容の訴訟は、その専門の役所が判断した方がよりよい判断ができるし、高等裁判所や最高裁に控訴や上告ができれば、司法権の独立にも反しないので合憲とされています。
「実質的証拠法則」で調べてみてください。

行政審判:Wikipedia

・海難審判法に基づく海難審判庁による海難審判
・独占禁止法49条以下に基づく公正取引委員会による排除措置命令に対する審判
・特許法に基づく特許庁の審判、審決
・土地収用法に基づく収用委員会の審理、裁決
・労働組合法に基づく労働委員会の審問、命令

[実質的証拠法則]
行政審判の裁決は、一定の場合に裁判所を拘束することを言う。現在では公正取引委員会の審決と特許庁の審決に対して設けられている。

労働審判も入っているのですね。

■背景として、独禁法改正(来年通常国会で予定)があります。

独占禁止法基本問題懇談会報告書(平成19年6月26日)

独占禁止法の改正等の基本的考え方:公正取引委員会 2007.10.16

独占禁止法改正(案)ポイント:Hi law law 〜ビジネス法務・法律・労務・日常トラブル〜 2007.10.21より

1:課徴金の対象となる行為を追加
 支配型私的独占
  ↓
 支配型私的独占+排除型私的独占・不当表示・優越的地位の乱用

2:課徴金制度の特例新設。
 上限が売上高の10%→課徴金が加算できる+自己申告した事業者の減額措置を拡充

3:公正取引委員会による行政処分への不服を審判する制度を維持。

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posted by 若葉 at 13:07| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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