2006年09月06日

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問9):平成18年(第38回)社会労務士試験

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問9):平成18年(第38回)社会労務士試験
9 労働安全衛生法に定める元方事業者等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 製造業に属する事業(労働安全衛生法第15条第1項に規定する特定事業を除く。)の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため、協議組織の設置及び運営を行うことに関する措置、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない。

B 石綿障害予防規則第8条の規定に基づき、建築物又は工作物の解体等の作業を行う仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。)は、当該仕事の請負人に対し、当該仕事に係る建築物又は工作物における石綿等の使用状況等を通知するよう努めなければならない。

拙解  :A○ B×
解答速報:A× B○

どちらも改正事項です。

A:製造業等の元方事業者等の講ずべき措置(法30条の2)

問題文と法文との違いは
・製造業の元方事業者
・協議組織の設置及び運営
ですね。
第30条の2 製造業その他政令で定める業種に属する事業(特定事業を除く。)の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない。
2 前条第2項(特定元方事業者等の講ずべき措置:実施者の指名)の規定は、前項に規定する事業の仕事の発注者について準用する。(以下略)
(3,4項略)

・製造業の元方事業者
「その他政令で定める業種」は定められていない(H18.2.24基発第0224003号)こと、または「事例」と考えると、この点が引っかかったのではないように思います。

・協議組織の設置及び運営
  ここかな。これは30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)ですね。
(特定元方事業者等の講ずべき措置)
第30条 特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
1 協議組織の設置及び運営を行うこと。
2 作業間の連絡及び調整を行うこと。
3 作業場所を巡視すること。
4 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
5 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う 特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する 作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
6 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
(2〜4項略)

「製造業+義務規定→○!」としたのですが…
細かく見る必要があったようですね。


B 石綿予防規則 第8条

(石綿等の使用の状況の通知)
第8条 建築物又は工作物の解体等の作業を行う仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。)は、当該仕事の請負人に対し、当該仕事に係る建築物又は工作物における石綿等の使用状況等を通知するよう努めなければならない。

努力義務なんですね。それで安全性は保たれるのでしょうか??(知らないなりに「義務に違いない!」と×にしたのですが)

石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)は、新たな単独の規則として制定され、平成17年2月24日に公布・平成17年7月1日から施行されることになりました。
「石綿」は改正事項でしたが、学習時は軽く触れるにとどまり、あえて重点学習するにはいたりませんでした。(厚生労働省もパンフレット等で啓発に力を入れており、なんとなく出そうな気がしましたが、他に潰すべき穴がたくさんあったので(^^;)
問題10にも出ており、今回はかなり重視されている気がします。努力義務か義務規定かくらいは押さえておくべきだったかなと思います。

今回の安全衛生法は、記憶にてこずる「安全衛生管理体制」(専任の安全管理者は○人、といった)がなかったぶん楽かなと思いましたが、蓋を開けると正解率1/3という結果に終わりました。
8番は変則的な問題でしたが、9番は細かく(正確に)学習しておけば取れたかもと思います。

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問8):平成18年(第38回)社会労務士試験

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問8):平成18年(第38回)社会労務士試験
8 労働安全衛生法に定める安全衛生改善計画、監督等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

B 労働安全衛生法第122条では、法人の代表者が同法の違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかった場合には、同人も行為者として罰せられる旨の規定が置かれている。

C 労働安全コンサルタント試験は機械、電気、化学、土木、建築の区分ごとに行われるが、これらの区分はコンサルタントとしての活動分野を限定するものではなく、例えば「化学」の区分で試験に合格した者が、労働安全コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、建築工事の安全についての診断及びこれに基づく指導を業として行うことができる。


拙解  :B○ C×
解答速報:B× C○

試験直後は大半の予備校(自分の見た範囲)が「C ×」としていましたが、徐々に「B ×」に流れているようです。

Cは労働安全コンサルタントの風さんのご協力を得て、正しい選択肢と確認できました。(ありがとうございます)

B:
単に、労働基準法121条と混同させているようです。

労働安全衛生法
第122条1項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第116条、第117条、第119条又は第120条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

労働基準法
第121条 この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主(事業主が法人である場合においてはその代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、その代表者)を事業主とする。次項において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場合においては、この限りでない。
2 事業主が違反の計画を知りその防止に必要な措置を講じなかつた場合、違反行為を知り、その是正に必要な措置を講じなかつた場合又は違反を教唆した場合においては、事業主も行為者として罰する。

この2つの条文、実質的に何が違うのでしょうか?? うーん…
詳細な解説集を待つことにします。

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問4):平成18年(第38回)社会労務士試験

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問4):平成18年(第38回)社会労務士試験
4労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

B 勤務ダイヤによるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を就業規則によって採用する場合に、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要があるときには、就業規則において各直勤務の始業終業時刻、各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、それにしたがって各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定すればよいこととされている。

E 満18歳に満たない者については、いわゆる変形労働時間制は適用されないが、労働基準法第60条第3項の規定により、満15歳以上で満18歳に満たない者については、満18歳に達するまでの間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く。)、1週間について48時間、1日10時間を超えない範囲内において、労働基準法第32条の2の規定の例により労働させることができる。

拙解  :B× E○
解答速報:B○ E×


B 1か月変形(法32条の2、昭和63.3.14基発1号)
・1か月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均し週40時間の範囲内であっても使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない(昭和63.1.1基発1号、平成6.3.31基発181号)。
 なお、労基法89条1項は就業規則で始業及び終業の時刻も定めることと規定しているので、就業規則においては、各日の労働時間の長さだけでなく、始業及び終業の時刻も定める必要がある(昭和63.1.1基発1号)。

が印象に残っていたため、
「"変形期間の開始前までに特定することで足りる"→×!」としたのですが…

こういうのもあるようです。
・勤務ダイヤによる1か月単位の変形労働時間制を採用する場合、各人ごとに、各日、各週の労働時間を就業規則において、できる限り具体的に特定すべきであるが、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要がある場合には、就業規則において各直勤務の始業終業時刻、各直勤務の組合せの考え方、勤務割表の作成手続き及びその周知方法等を定めておき、それに従って各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに特定することで足りる(昭和63.3.14基発150号)。

何が基準で、こんなに180度違うねん?!

「勤務ダイヤにより」がキーらしくみえますが…

予備校の詳細な解説が出るのを待ちましょう。


E 年少者(法60条)

法60条は:

第60条 第32条の2から第32条の5まで、第36条及び第40条の規定は、満18歳に満たない者については、これを適用しない。
2 (児童:略)
3 使用者は、第32条の規定にかかわらず、満15歳以上で満18歳に満たない者については、満18歳に達するまでの間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く。)、次に定めるところにより、労働させることができる。
1.1週間の労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長すること。
2.1週間について48時間以下の範囲内で厚生労働省令で定める時間、1日について8時間を超えない範囲内において、第32条の2又は第32条の4及び第32条の4の2の規定の例により労働させること。

・1週間について48時間、1日10時間
・15歳年度末後〜満18歳に満たない者

でOKを出したのですが…
どうも「第32条の2又は第32条の4及び第32条の4の2」がひっかかったようです。

・第32条の2…1か月変形
◎第32条の4…1年変形
◎第32条の4の2…労働させた期間が当該対象期間より短い労働者→割増賃金要

細かい〜!
新手パターンとして過去問に記録されるでしょう。

よく似た過去問はありますが…
年少者にはいわゆる変形労働時間制は原則として適用されないが,満15歳以上で満18歳に満たない者については,満18歳に達するまでの間(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く。),1週間について48時間,1日について8時間を超えない範囲内において,労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1箇月単位の変形労働時間制又は同法第32条の4に規定するいわゆる1年単位の変形労働時間制によって労働させることができる。(H08-05A改)

これを解いたときは「週48時間・1日10時間+15歳年度末後〜満18歳未満→○!」で済ませていたのでしょうね。

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問2):平成18年(第38回)社会労務士試験

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(問2):平成18年(第38回)社会労務士試験

2 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 労働基準法第24条第1項本文においては、賃金は、その全額を支払わなければならないと規定されているが、同項ただし書において、法令又は労働協約に別段の定めがある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができると規定されている。

D 最高裁判所の判例によると、労働基準法第114条の付加金支払義務は、使用者が同法第20条の予告手当等を支払わない場合に、当然発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命ずることによって、初めて発生するものと解すべきであるから、使用者に同法第20条の違反があっても、既に予告手当に相当する金額の支払を完了し使用者の義務違反の状況が消滅した後においては、労働者は同法第114条による付加金請求の申立をすることができないものと解すべきである、とされている。

拙解  :A○ D×
解答速報:A× D○

A 通貨払いの原則(労働協約→通貨以外)と全額払いの原則(労使協定→控除)を混同させています。思いっきり基本でした。

D.はマイナーな論点ですが、正しいようです。

最高裁 昭和30年(オ)第93号同35年3月11日第2小法廷判決、民集14巻3号403頁
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=29227&hanreiKbn=01
労働基準法第114四条の附加金支払義務は、使用者が予告手当等を支払わない場合に当然に発生するものではなく、労働者の請求により裁判所がその支払を命ずることによつて、初めて発生するものであるから、使用者に労働基準法第20条の違反があつても、すでに予告手当に相当する金額の支払を完了し、使用者の義務違反の状況が消滅した後においては、労働者は、附加金請求の申立をすることができないものと解すべきである。

D.を知らなくても、A.を正確におさえていれば、解けた問題と思います。

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(リスト):平成18年(第38回)社会労務士試験

択一 労働基準法及び労働安全衛生法(リスト):平成18年(第38回)社会労務士試験

労働基準法及び労働安全衛生法
1 総則等    OK
2 賃金等    NG
3 労働時間等  OK
4 労働時間等  NG
5 割増賃金等  OK
6 年次有給休暇 OK
7 解雇     OK
8 安全衛生改善計画、監督等 NG
9 元方事業者等 NG
10 計画の届出  OK

計 10点中6点(労働基準法5点、安全衛生法1点)

これから誤った問題(2,4,8,9)を順次、分析していきます。
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