2007年11月22日

税収を減額修正

税収、5年ぶり減額修正へ・国債追加発行は回避:nikkei net 2007.11.22
 財務省は21日、2007年度予算の国の一般会計税収を減額修正する方向で最終調整に入った。景気減速で所得税や法人税の下振れが避けられないためで、補正予算での税収見積もりの減額は02年度以来、5年ぶりとなる。税収不足は前年度の剰余金などで穴埋めし、新規国債の追加発行は回避する方針。財源が乏しいことから、補正予算での追加歳出は限られる見通しだ。

 07年度当初予算での国の一般会計税収は53兆4670億円。ただ、この見積もりの前提とした06年度の税収は決算段階で補正予算を約1兆4000億円割り込んだ。さらに国内景気の減速を背景に、規模の大きい所得税、法人税などで税収の進ちょくが遅れており、見積もりの達成は困難な情勢となった。

税収見積って、難しいのですね。

連想したのがこれ:

年金騒動の政治経済学−政争の具としての年金論争トピックと真の改善を待つ年金問題点との乖離:権丈善一 2007.10.14
p25-27「社会保険制度における社会保険と租税の選択」

 この図(図8)の第W象限 −社会保険料の費用負担割合と財源調達力(制度の安定性)という座標軸からなる象限− が視野に入っていないのではないか…社会保険制度の財源として租税に頼るということは、長期的にみれば(動態的にみれば)財源調達力が弱い財源に頼ることになり、結果、制度の安定性が落ちることを意味する。
 われわれが社会保障制度によって生活の基礎的部分に必要となる資源を、社会から優先的に確保したいと考えたとする。この時、その制度を構築し、守っていくために、厚生労働省に頼るのがよいか、それとも財務省に頼るのが安心できるのか… ほとんどの人には、図8における第W象限画念頭になく、結果、制度の普遍性と財源調達力(制度の安定性)がトレードオフになっているという、制度選択の制約条件がみえていない。よって、租税に頼ればなんとかなる、憲法25条があるのだから社会保障財源は租税たるべしという論がいたずらに導かれているように見受けられる。
 この意味で私は、租税に頼る、つまり財務相が制度の有り様に口出しできるスキを大きくすればするほど、その社会保障制度は、強い給付抑制圧力のもとに置かれることになり、制度が不安定になるとみている。…

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2007年11月10日

不適切な経理処理310億円−会計検査院

不適切な経理処理310億円、税金無駄遣い260億円・会計検査院:nikkei net 2007.11.9
 会計検査院は9日、中央省庁や政府関係機関を対象にした2006年度の決算検査報告書を福田康夫首相に提出した。経理処理が不適切などと指摘したのは451件で総額約310億円。税金の無駄遣いなど支出面が約260億円、税金の徴収漏れなど収入面が約50億円だった。

 報告書の掲載基準が現行と同じになった1978年度以降では、05年度の473件に次いで2番目に多い指摘件数だった。指摘額では過去7番目。

 検査院が全国の省庁や出先機関など約3万2600カ所のうち約2700カ所を調べた。省庁別では厚生労働省がワースト1位の約62億円(186件)。農林水産省の約37億円、国土交通省の約25億円と続いた。

 政府が見直しを進める各府省の随意契約は計8万件、総額1兆3000億円に上った。金額では契約全体の6割以上を占め、検査院は公正性、競争性、透明性を確保するよう見直しを迫った。


税金の無駄遣いなど支出面が約260億円+税金の徴収漏れなど収入面が約50億円=計310億円 ということかな?

写真で見ると書類の高さ30cmくらい…すごい量(@_@)

ワーストは厚生労働省(前年度に続き/全体の2割→突出:読売 2007.11.9)。

この状態で「消費税up」とは…片腹痛い
                     ↑
「傍で見ていて辛い」の意味らしい…「笑いすぎて腹筋が痛い」と思い込んでました)

■会計検査院 については、憲法に規定されています。

第九十条  国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2  会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

第九十一条  内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

■指摘の方法も、ただ「足りない」と述べるだけでなく、長期的に見たり、建設的提案をしたりと芸が細かいですね。

年金納付率上昇に口座振替導入を提言 検査院が社保庁に:asahi.com 2007.11.10
 自営業者らが加入する国民年金の保険料納付率が低迷している問題について、会計検査院は9日、社会保険庁に対し、口座振替制度の積極的な導入を提言した。5000万件の記録が宙に浮く事態になった年金記録問題については、本人との照合を完了するために必要な費用の調査を進めていることを明らかにした。

 検査院が同庁や社会保険事務局を調査した結果、保険料の口座振替利用率は全国平均で40%だった。50〜60%の地域がある一方、沖縄、大阪、東京などでは30%前後にとどまっていたという。

 また、サラリーマンや公務員が退職した場合、厚生年金や共済年金から国民年金への切り替えを届け出ないため、未納になっているケースが多いことに言及。納付率を上げるために社保庁が職権で切り替えの手続きを行うことができるが、職権による切り替え率は長野が72.1%と高いのに対し、千葉はわずか0.7%と地域で大きな開きがあった。切り替えを進めるためには市区町村と連絡をとって対象者の住所を調べ、手続きをとる必要があると指摘した。

国費310億円、無駄遣い 会計検査院指摘:asahi.com 2007.11.9
…国土交通省関連では、「ライフサイクルコスト」という比較的新しい概念を用いた。初期負担より将来的なコストに目を向ける考え方で、東、中、西日本高速道路が手がける214の鋼橋の塗装について検査した。耐用年数20年の塗料と同30年の割高な塗料を比べ、当初は費用がかかっても、耐用年数30年の塗料を使うべきだと指摘。40年後、44億円のコスト削減につながると結論付けた。

 また、全国のトンネル工事も調査。終点の用地取得が可能と見込んで着工したものの、用地交渉に失敗し、工事を中止した事業が北海道や新潟、長崎で計四つあり、総額90億円の国費がつぎ込まれたと批判した。

 農水省関連では…例えば、完成すれば経済効果が1.32倍になるとして着工した千葉県の農道整備事業は、実際には1.02倍だった。水田を乾田化し、トマトを作れば年間1700万円の増収が見込まれるとして始めた石川県の区画整理事業は、今も米や大豆を作っており、増収は560万円にとどまっていた。

〈会計検査院が指摘した主な事例〉[…多彩。記事をご参照ください]

[追記]
国民年金の職権適用?

年金に関する行政評価・監視 国民年金業務を中心としての勧告に伴う改善措置状況(回答)の概要 より
転退職により厚生年金から脱退した者であって一定期間国民年金に加入しない者に係る職権適用の実施については、「国民年金第2号又は第3号被保険者から第1号被保険者に移行した者に対する適用促進について」(平成17年4月20日付け社会保険庁年金保険課長通知)により、以下の全国統一的な手続を示した上、職権適用の実施を指示
[h17.4.20通知 は見つからず。社労士試験では出なかったと思うが…こんなのがあったのか?]

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posted by 若葉 at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 税制・財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月27日

「毒まんじゅう」の見分け方

法人2税見直しは「毒まんじゅう」 5知事が反対声明:asahi.com 2007.10.21
法人2税再配分、宮城など5知事が「反対」:nikkei net 2007.10.21

総合すると

宮城、山形、佐賀、徳島、鳥取の5県知事は21日、東京都内で会合を開き、地方法人2税(事業税、住民税)の見直し案に反対する声明を発表した。

「都市と地方の対立をあおって中央集権の強化につながる」
「都市と地方の対立をいたずらにあおり、地方への税源移譲を進めてきた分権の流れに逆行する」

「『毒まんじゅう』拒否宣言!」と題した共同宣言を発表し、再配分案について「地方の知事はこのようなまやかしにだまされない」と厳しく批判。地域間格差の是正策として地方交付税の増額を求めた。

・「一見すると地方に魅力的だが、毒まんじゅうに他ならず、地方再生に名を借りた偽装表示だ」(佐賀県・古川康知事)
・「再配分案は東京や大阪、愛知から(税収を)召し上げ、国が吸い上げるだけだ」(飯泉嘉門・徳島県知事)

税収を召し上げられる都市ではなく、地方の側から「反対」が表明されたのは興味深いことです。

参院選に大敗した与党が地方に秋波を送っている、という見方もあります(「税金まにあ」木村税務会計事務所通信 2007.10.22

・関連→法の「墨守」から「解釈」へ−多選禁止条例成立:2007.10.13エントリ

■年金・社会保障 で「毒まんじゅう」を食わないためには…どうしたら??

cf.05年度の社会保障給付費、過去最高の87兆円:nikkei net 2007.10.26
 国立社会保障・人口問題研究所は26日、2005年度に支払われた年金、医療、介護などの社会保障給付費が87兆9150億円となり、前年度に比べ2.3%増えたと発表した。1950年度の調査開始以来、毎年最高を更新しており、増加率は高齢化の進行を映して3年ぶりの高さになった。高齢者向けの給付が全体の70.2%を占め、3年連続で70%を超えた。

 部門別の内訳をみると最大の年金が46兆2930億円(前年度比1.7%増)で、全体の52.7%を占めた。「高齢化で受給者が増え3 年ぶりの高い伸びになった」(同研究所)。次いで医療費が28兆1094億円(3.6%増)で、全体の32.0%を占めた。介護や生活保護・障害者福祉など「その他」の伸びは1.5%で、医療の伸びが最大になった。

 高齢者向けの給付は61兆7079億円で1.7%増。高齢人口の増加で今後も給付が膨らむことは避けられない。一方、児童福祉手当など児童・家庭向け給付は3兆5673億円で4.1%増えたが、高齢者向け給付の17分の1の規模にとどまる。

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posted by 若葉 at 07:32| Comment(1) | TrackBack(1) | 税制・財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月16日

プライマリー・バランスに黄信号−財政膨張圧力

11年度財政黒字化目標、最大6.6兆円税収不足・内閣府試算:nikkei net 2007.10.16
 内閣府は政府目標である2011年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化に関し、追加歳出で歳出削減ペースが鈍ると最大で 6兆6000億円の税収不足になるとの試算をまとめた。与野党から地方などに配慮した歳出増加圧力が強まるなか、歳出を抑えるか増税しないと財政健全化目標を達成できないことを示している。

 プライマリーバランスは行政サービスにかかる政策的経費を借金せずに税収などで賄えているかどうかを見る指標。日本は税収だけでは不足し、毎年新たな国債を発行して補っている。試算は内閣府が17日の経済財政諮問会議に提出する。

[日経 2007.10.16 紙面より]
○計画どおり…07-11年度に3.0%の名目成長率、歳出を14兆3000億円削減→増税なしで収支は11年度に黒字
しかし
 08年から年1兆円追加支出→黒字化には3兆2000億円の増税要
 +名目成長率2.2% →必要増税額は6兆6000億円に

○民間エコノミストの予測では、07年度の名目成長率は1%台にとどまるので、さらにハードルは高い

○経済財政諮問会議は議事録が公開→政府は経済財政運営の選択肢を示し、国民の関心を高めたい考え

政策充実vs財政難 という図式を見るたびに、
「個々の使い方を検証する(=無駄・非効率を省く)ことで、額を抑え、かつ効率的な支出はできないのか?」と考えてしまいます。

今回の内閣府発表は、与野党などの歳出膨張圧力をけん制する狙いがあるようです。

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posted by 若葉 at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 税制・財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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